Liv:raの小森優美氏による連載企画。洋服作りの裏側ってどうなってるの?気になるところを赤裸々にブログでご紹介。洋服1着を作り上げるのに、どれだけの人がかかわり、どのような工程があるのか?そして、エシカルで商品をつくる事の難しさなど、Liv:raのものつくりのこだわりを綴っていきます。今回は今春発売予定の新商品の制作工程をリアルタイムで0からお見せします。果たして無事に販売する事ができるのか!?乞うご期待!
Ethical Fashion Japanの読者のこんにちわ!
去年の暮れにお知らせをしましたが、今年より連載をスタートする事になりました。改めまして自己紹介を。
私、京都でMADE IN JAPANのエシカルファッションブランド「Liv:ra」のデザイナー、小森と申します。
このブログではLiv:raのこだわりのものづくりを追いかけながら書いていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
さて、去年の11月のとある日、お仕事仲間と京都の老舗の股引屋の『山城』さんに突然お伺いすることになりました。
直前に打ち合わせしていたお仕事仲間の方に一緒に来ませんかとお誘いいただいて、
本当にたまたま偶然おじゃますることになったのですが、Tシャツやももひきなど山城さんの商品の生地を触らせていただいた時、
とっても感動したのです。
何に??
その、気持ちよすぎる伸縮性に!!!!!!!!
とても気に入り、お話中もずっと伸ばしていたことを覚えています。笑
この気持ち良い生地をももひきやTシャツだけにしておくのはもったいない!
Liv:raはランジェリーもたくさん作っているので、これを使えばかならず心地よいランジェリーが出来るだろうと考え、

山城の稗さん。何時会っても若々しくて素敵なお方です。
「ぜひコラボで使わせてください!」とおたずねしたところ、
山城さんも商品展開の拡大をしたいと思っていらっしゃったらしく、なんと快く許可をいただきました。
ぱちぱちぱち!!
Liv:raは新万葉染め(京都の職人さんの草木染め)など、伝統技術との関わりもとても大切にしているのでして、こういった年齢層高めの方向けの日本が誇る技術を若い方々にたくさん伝えていきたいなぁと常日頃思っているのです。日本の伝統技術は、あえて“エシカル”と言わなくてもエシカルであったり、代々伝えていくべきとても高度な技術であったりするので、とても興味深いのですよ。
出来る限り人にも環境にもやさしい染色をしたいという職人さんの愛から生まれた「新万葉染め」、京都の工場で1点1点丁寧に手染めされています。その気持ち良さと美しさをLiv:raを通して感じていただけましたら幸いです。
新万葉染めとは→
Liv:raは万葉時代の染めをもとに京都で開発された「新万葉染め」を使用しています。
従来の草木染めは100度のお湯で煮出して染色していましたが、その状態では色素が栄養分になりかけている為、なかなか色が定着せず、何度も染め直すか、石油系有機溶剤で定着させているのがふつうでした。「新万葉染め」は独自の技術で草花を分子のレベルまで微粉砕することで80度以下のお湯で色素を定着させ、草花の色素をしっかりと生地に落とし込むことを可能としています。
また、植物性の色素は植物性の素材に定着しづらい為、綿や麻素材に草木染めをする場合は石油系界面活性剤が使用されることが多かったのですが、「新万葉染め」は前処理に高タンパクの大豆や卵白、牛乳を使用して色素を定着しやすくし、定着剤には体にやさしい食べられるみょうばんを使用しています。

山城さんの股引の生地で作ったTシャツたち。こちらも気持ちよさそう。
さて、商品を作ることになったので、さっそくサンプル作りにむけて動き出します。

イメージを膨らませているところ。
まずはじめに、山城さんにサンプル用生地を1メートルほどオーダー。これで、上下2枚ずつほどサンプルが作れます。
生地がLiv:raに届いたら工場に出す仕様書を作成。工場さんはこの仕様書を元にパターンを引き、サンプルを作ってくれます。デザイン、サイズ、など今後の方向性がすべてここで決まっていくので仕様書はとても大切な工程です。
生地の伸縮性などを考えながらサイズを決めていきますが、ここは作ってみなければわからない部分が多いので、精一杯のイマジネーションを働かせ、いわば机上の空論のようなかたちで進めていきます。一番ハードですが、一番やりがいのあるところ!
仕様書が完成すれば、仕様書、生地を工場さんに送り、サンプル依頼をし、
約1週間ほど待ちます。
そして一週間後・・・

1stサンプル
サンプルが完成しました!!!
カラーは新万葉染めの茜で染めています。触り心地、履き心地も思った通りとてもよさそうです!
実はだいたいファーストサンプルというのは、半分くらい失敗してしまうのですが、
こうやってなかなか思い通りのものが完成した時は本当にうれしいです。想像が創造になる瞬間ですね!
もちろん商品として完璧にいいなと思うものをお客様に届けるまではまだまだもう少し時間がかかります。
まずはこちらのファーストサンプルを実際に試着していただき、修正ポイントを見つけ、これからセカンドサンプルを作っていくのです〜!!
セカンドは、もっと思い通りのものが出来ていく予定です。
セカンドが完成すればカラー選びにも進みます。どんなカラーが似合うかな♪
今からとても楽しみ!!わくわく☆
つづく。
Liv:raを詳しく知りたい方はこちらへ
→株式会社HighLogic代表取締役兼Liv:raデザイナーの小森優美さんに、EFJ代表竹村伊央がインタビュー!
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