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「あなたのエシカルなこだわりを教えてください!」 @そごう横浜公開インタビューレポ(Feliz編)

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現在EFJでは5月17日から30日までの2週間、そごう横浜店3階のシーガルコートにて、エシカルの期間限定ショップを展開しています。週末には、ワークショップやトークショーなどの特別イベントも開催され、お買い物だけでなく、エシカルを体験して感じられる空間となっています。

そんな中、今回は先週末5月22日に行われたイベント、EFJ代表 竹村伊央による公開インタビュー 「あなたのエシカルなこだわりを教えてください!」の模様をお伝えいたします。

 

当日はEFJ代表である竹村が、各エシカルブランド担当者との対話を通して、ブランドのコンセプトから商品のこだわりポイント、生産者のことなど、普段なかなか聞けない話を引き出す刺激的な時間となりました!

残念ながら、そごうにはお越しになれなかった方にもぜひ各ブランドの熱い思いをお届けできればと思います。

5月22日(日)14:00~

Feliz 代表 柿本可奈子氏

IMG_1565 公開インタビュー最初のスピーカーはFeliz代表の柿本氏。前日にはブレスレット作りワークショップも同会場にて行っており、2日連続でご参加くださったお客様もいらっしゃいました!

Feliez(フェリーズ)ってどんなブランド?

作る人、購入する人、環境、Felizの商品に関わる全てがHAPPYである
「HAPPY が つながる ACCESSORY」をコンセプトに、フェアトレードアクセサリーやジュエリーの製造販売を通して、フィリピンのお母さんへ雇用作りと子どもの教育機会を創出。「子供たちが未来に夢や希望を持ちそれに向かって進める社会」を目指すブランド。2011年6月からスタートし、今年で5周年となる。

竹村伊央(以下、敬称略):柿本さんがそもそもアクセサリー作りをはじめたきっかけは?
柿本可奈子氏(以下、敬称略):もともと専業主婦を10年間していたのですが、空いた時間でものづくりをしていました。ブログに作品の写真をあげる際に、より魅力的な写真を撮りたいと写真を習いにいったんです。そこで出会った先生がビーズアクセサリー作りもされていて。その作品に魅かれて自分も習い始めました。

竹村:そうなんですね!きっかけはブログ!?ではフェアトレードなものつくりをしようと思ったきっかけはなんですか?
柿本:自身の作品を百貨店などで販売させてもらえるようになった時、ただ売るだけではなく、かねてから興味があった途上国、特に子どもへの支援につながる方法はないか模索していました。そのなかで「フェアトレード」という取り組みに出会いました。

DSCN0058竹村:felizは「子ども」がkeywaordですが、なぜ子どもへの支援にこだわりを持つようになったのですか?
柿本:もともと保健師として働いていたのですが、その中で沢山のお母さんや子どもたちと関わる機会がありました。その中で生まれた家庭環境によって子どもの生活環境に大きな差があり、厳しい環境で暮らす子ども達が沢山いることを知り、何かできないかと考えていました。また、自分自身、不妊治療も経験し、子どもがこの世の中に生まれてくることがどれだけ奇跡に近いことなのか身をもって感じていました。

竹村:では、なぜ直接子どもを支援するのではなく、お母さんたちにフォーカスしているのでしょう?
柿本:1人でも多くの子供が教育を受けるためにはどうすればよいのか。それを考えた結果、お母さんたちへの働きかけの重要さに気付きました。世界の貧困の70パーセントは女性と子供であり、父ではなく、母がお金を持つと子どものために使用する金額が増え、母の学歴が高いほど子供の就学率や継続率、進学率が高くなるといわれています。そのため、母親に技術支援や雇用の機会を作ることによって学ぶことの大切さを感じてもらったり、収入増加により子どもたちの生活向上や教育の機会が増えることを目指しています。

竹村:ではフィリピンとの出会いはどのように?
柿本:2010年10月に初めてフィリピンを訪れました。ルソン島というマニラから車で30分程に位置する場所に足を運んだのですが、そこにはゴミ山で暮らす人々のコミュニティーが存在していて。はじめはその臭いや光景に圧倒されてしまいましたね。そこで初めてのアクセサリー作りワークショップを開催しました。十数名ほど集まってくれたんですけど、アクセサリ―が好きな国民性というか文化のようなものを感じて。みんなとても明るく楽しみながら参加してくれました。

竹村:文化も言葉も異なる人たちに何かを教えるという経験はどのようなものでしたか?
柿本:そうですね。まず驚いたのはその色彩感覚というか好みの違いですね!参加者の女性達はみんな原色中心の鮮やかな色の組み合わせを好むのですが、それは少し日本人の好みとは離れますよね。そのため、実際に日本で販売するためのアクセサリー作りにはこちらがデザインやサンプルを用意しました。また、はじめは単純作業工程のイヤリングやピアスなどを作成依頼しました。

竹村:その中で感じた難しさなどは?
柿本:やはり、文化の違いというか…作り方のレジュメなどを頑張って英語で作成して渡してもなかなかそれを見て書いてある通りにはやってくれないんですよね((笑))
自己流というか、こうした方がいいじゃんって進めていってしまって。ただ、それでは日本のお客様にお渡しできないので、丁寧に向き合ってきっちりで作成指導を行いました。
あとは、やはりみんなもともとは普通のお母さんなわけでプロの職人さんではないので製品が仕上がるまで時間がかかるんです。納期は2~3カ月必要ですし、企画から販売できるようになるまで半年くらいはかかってしまいます。そのため、シンプルでパーツの魅力が最大に引き出されるデザインを大切にしています。

スタッズピアス竹村:なるほど。では、そんなこだわりの製品の中でもマザーオブパールシリーズは特に人気がありますが、どのような素材なのでしょう?
柿本:マザーオブパールは名前の通り真珠を育てる貝のことです。きれいな真珠をその体内で育むことから、安産のお守りとしても活用されてきました。「真珠のお母さん」という素材はFelizのコンセプトにもぴったりでこれだ!と思いました。

竹村:貝殻素材のほかにも最近はゴールドのシリーズも展開されていますが、こちらはどのようなこだわりが?
柿本:国際フェアトレード認証取得ゴールドを用いたアクセサリー作りをしています。
これは、イギリスで認証を取得したゴールドを買い付け、ペルーで仕上げています。金の採掘現場では危険な鉱山に体の小さな子どもが潜って採掘を担当するといった児童労働や、金を抽出する際に有毒な水銀を用いることから、人体や環境への負荷が指摘されています。そこでそのような不公正が行われていないことを示すフェアトレード認証のものを選んでいるんです。でも、これは、材料の移動が多くて、時間も移動に使う資源もかなり消費してしまいます。そこで、国内でアクセスできるリサイクルゴールドやシルバーを用いたラインも展開し始めています。

IMG_1567竹村:ここまではフェアトレードの製品背景についてお話し頂きましたが、こちらにあるようなチャリティブレスシリーズについても教えて頂けますか?(机上にあるブレスレットをさして)
柿本:はい。こちらはフェアトレード+αの製品シリーズになります。
“1Bracelet For 1Meal Project”といって、こちらのブレスレットを1つご購入いただくと100円がフィリピンのセブ島の漁村スラムに暮らす子ども達への食事配給プロジェクトと学用品に寄付されるというものです。また、Feliz HPのFeliz Caféを訪れて頂くと、作り手のお母さんたちの写真やコメントをご覧になれます。

竹村:お母さんと子どもたちへの熱い思いが詰まったFelizが抱える課題は何かありますか?
柿本:コンスタントに安定した仕事をお母さんたちに提供することがまだ完全にできていなことです。貝は夏のイメージが強いので、秋冬は安定して仕事を依頼することが出来ていません。また、お母さんたちの収入としての金額的な目標を超えれる発注をしていきたいと考えています。

竹村:最後に、柿本さん自身がFelizを立ち上げて一番変わったなと感じることはなんですか?
柿本:「足るを知る」ことを学びました。フィリピンでの生活を体験し、日本での生活がどれだけ物質的に豊かかを身をもって学びました。お風呂で蛇口をひねっただけで温かいお湯が出てくるとか。そんなことも普通ではないんですよね。ただ、これだけ便利な生活をして、物に囲まれて生きているのに、増加し続ける自殺率や心に病を抱える人の多さを見るとね。何なんでしょうね。一方で、日本人からしたら不便で貧しいように見えるフィリピンでの暮らしの中で見る子供たちの笑顔や明るく元気なお母さんたち。あまりに求めすぎている生活から、「足る」を知ることを学びました。

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インタビューはここまででしたが、会場からは「Felizの最終的に目指したいゴールは?」という質問が上がり、これに対して柿本氏は「誰も悲しまず、涙を流すことのない製品が身近な場所に自然と置かれること。買ってみたらエシカルなものだった。くらいにエシカル商品が身近になる社会を、Felizなりの製品やデザインを通してつくっていきたい。」と答えていました。

今回は30分という限られた時間の中ではありましたが、柿本可奈子さんという一人の女性がどの様にエシカルファッションの世界に足を踏み入れたのか。その個人のストーリーを垣間見ることができ、来場されたお客様にも何かヒントをお届けすることが出来たと思います!

そごう横浜では今月30日までFelizのアクセサリーを展開しております。また、29日(日)には、Phuhiep (フーヒップ)から野真貴子氏と、Veganie(ヴィーガニー)から竹迫千晶氏をゲストに招き公開インタビューを行いますので、ぜひ足をお運びください。

 

文:丹波小桃

 

5月29日(日)
そごう横浜 シーガルコート
14:00~    大野真貴子Phuhiep Marketing Director/ドッツジャパン合同会社 代表
15:00~   竹迫千晶 Veganie Founder/ Creative Director
各30分
参加費:無料
詳しくは→こちら

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