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未来のために現状を知る〜素材について1から知ろうと考えたワケ

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デザイナー・寺本恭子さん。

デザイナー・寺本恭子さん。

はじめまして。ニット帽子ブランド「ami-tsumuli(アミツムリ)」のデザイナー・寺本恭子です。第1回目は、自己紹介を兼ねて私が今までやってきたこと、私が考えていることを駆け足でお話したいと思います。

美しいものが好き

私は基本的にモードが大好きで、ラグジュアリーファッションやハイブランドも好き。現代アートから古典まで芸術全般も大好き。広義な意味で「美しいもの」がなんでも好きです。自分で服をデザインしたり作ったりすることを専門学校で学んだ後、デザイン性に憧れてウェディングドレスが有名なファッションデザイナー・松居エリ先生のアトリエの扉を叩きました。先生のアシスタントをさせていただきながら、ファッションの表舞台も裏舞台も学ぶことができました。

非常にクリエイティブな松居エリ先生の右腕として、新素材の開発、デザイン、生産、東京コレクションの準備……さまざまな仕事に全力を注いでいた29才のとき、父が急逝。父はエンジニアでしたが、60才で企業を退職した後、母方の祖父が経営している老舗ニット帽子メーカー・吉川帽子(株)を継ぎ、高齢になった祖父のサポートをしていたのです。

私は即座に「父の代わりに、私が会社を継がなくては!」と判断。しばらく松井先生のところと2つの職場のかけ持ちが必要でしたが、吉川帽子(株)に入社しました。会社の経営も初めてでしたが、「ニット」も「帽子」も初めてで、とにかく勉強勉強の毎日でした。夜学でニットの専門学校にも通いました。

自分のブランドを立ち上げる

入社して6年が経って仕事を一通りこなせるようになった頃、かねてからの夢だった自分のブランドを作ってみようと思い立ちました。「洋服のデザイナーにはなれないけど、ニット帽子でなら自分の思っていること・感じていることを表現できるかもしれない」と思うようになっていたのです。

そこで立ち上げたニット帽子ブランド「ami-tsumuli」は、2004年にパリの合同展示会・プルミエールクラスでデビューします。以来、エレガントなニット帽子として、構築的でモダンなデザインと老舗国産メーカーの高い技術が評価され、ヨーロッパ・アジア、そして日本国内の百貨店やセレクトショップで展開されるようになりました。自分が生み出した作品が人に喜んで頂けるということは本当にうれしく、いつもこの現実に感謝しています。

次々に湧いてきた疑問

一方、売れてくるにつれ、多くのバイヤーさんたちの「とにかく売れる物が欲しい」という要望に違和感を感じるようになりました。

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