優れたエシカルファッションブランドに贈られる「The SOURCE Awards」を受賞したブランド「Coclico(コクリコ)」。エシカルかつサステナブルに作られているだけではなく、デザイン性の高さから、Footwear部門で優勝しました。エシカルなシューズブランドにはヴィーガンレザーを使用するブランドが多い中、「Coclico」はそれをせず、動物由来のレザーを使っています。ヴィーガンレザーを使用しないという選択をしたのはなぜか? 同ブランドがその他に選びとってきた答えとは? 今回、「Coclico」のBrand Development Officer・Diana Haberさんに話を伺いました。
エシカルであることとファッション性の両立が難しいのは、生活者にとっても同じ課題。自身の価値をきちんと見つめながら選択を繰り返してきた「Coclico」の姿勢に、生活者として選択していくうえでのヒントがありました。

「Coclico」Brand Development OfficerのDianaさん
「長く使う」という視点から選択する
Q. ヴィーガンレザーを使っていないのはなぜでしょうか?
ヴィーガンレザーは基本的にプラスチック(※石油由来の繊維素材でできた合皮の意味でいっている)なので、私たちは使っていません。環境面や、耐久性の面、色落ちの面でもプラスチックは動物性のレザーには敵わないと判断したからです。
私たちが重要視しているのは、「長く使える」ということ。毎年、何トンもの靴が捨てられています。だから私たちは、使い捨てのファッションを少なくし、何シーズンでも使えるような靴を作りたいと考えています。プラスチックの靴を何年も使うことは難しいですが、レザーは手入れすれば何年も履くことができ、きれいに色落ちもしていきます。それも一つの楽しみですよね。レザーは「長く使う」という面では、圧倒的にエシカルな選択肢だと思っています。
Q. そのほかにはどういった取り組みでエシカルを実現していますか?
Native Energyという第三者機関に二酸化炭素排出量を計算してもらっています。排出した二酸化炭素の分だけお金を払うと、環境開発プロジェクトを遂行する資金として活用されます。昨年はケニアの汚染水を浄化するプロジェクトや、インディアナ州での風力発電開発のプロジェクトなどが行われました。
また、私たちは植物タンニンなめし(※食物の渋〈しぶ〉を用いて皮を加工すること)の革を使用しています。植物タンニンなめしのレザーはクロムなめしなどと違い、毒物を使用しないので環境への負荷が少なくて済みます。ただし、水の使用量は普通のなめしに比べ多くなってしまいます。それでも、毒物を使うという選択肢と水の使用量の多さを比べると、環境への負荷は後者のほうが少ないと思います。そしてファッションとしても、時が経つにつれて味が出て、きれいに色が落ちていくので、植物タンニンなめしのほうが断然優れていると思っています。
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