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デザイナーにとって大切な素材がない! エシカルな素材選びが難しい

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デザイナーにとって、素材選びはとても重要です。一口に「糸」といってもとにかく無数の糸があり、太さや形状、色に質感……各紡績会社が、技術とアイディアを駆使してさまざまな糸を開発しています。デザイナーの中には、素材に刺激を受けてひらめく方も少なくありません。

私は、素材からひらめくタイプではありませんが、自分の中に生まれたデザインをかたちにするためにも素材選びは重要です。同じデザイン画でも、素材によって雰囲気がガラリと変わります。ニットの場合、その編み機と糸の相性のようなものもあり、ハードウェアの面からも素材選びは大事です。今回は、デザイナーの私が、ニットを例にビジネスとしてエシカルなもの作りを続けていく中で感じている課題についてお話します。

太さ、形状、感触……糸には個性がある

専門的な話をすると、糸には長い繊維を梳いて作る梳毛糸(そもうし)と、短い繊維を紡いで作る紡毛糸(ぼうもうし)があります。編み地では、梳毛糸はさらっとクールな表情になり、紡毛糸はほんわかした温かい印象になります。それぞれ番手(太さ)によってさらに表情が変わります。ほんわかした紡毛糸でも細かいゲージの編み地に合う糸がありますし、クールな梳毛糸でもざっくりしたカウチンセーターの編地に合う糸があります。イメージする編地に合う番手を探さなければなりませんが、私が通常使用する番手だけでも10種類以上はあります。

太さだけでなく、形状も色々です。プレーンなものが基本ですが、きし麺の様に平べったい糸、太くなったり細くなったりするスラブ糸、ツブツブしたものが入っているネップ糸……。触感も、シャリ感、光沢感、ぬめり感、ふわふわ……挙げると本当にキリがありません。

素材バリエーション(ami-tsumuli 2013AWコレクションより)

素材バリエーション(ami-tsumuli 2013AWコレクションより)

限られたエシカル素材、表現の限界

通常だとこんなにたくさんある選択肢。しかし、エシカルではほとんど選択の余地がないのが現状です。なぜなら、各紡績会社は商品化のために、大きなロットで生産しなくてはいけないので、たくさん売れる見込みがある素材でないと商品化はできないのです。

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